生前対策の比較
生前対策のすすめ
生前対策について、現在多くの生前対策がありますが、使う制度によって必要なお金や、できること、できないことがあります。
後悔しない対策をするために、ご自身の状況と、どのような対策をしたいかを整理することが重要となります。
まずは、どのような対策方法があるのか制度を見てみましょう
生前対策の種類
制度の目的別効果を最初に対応表で説明したのちに、それぞれの制度の説明をします。
生前対策をする場合は主にこれらの中からご自身に最適なものが選ばれます。
ここで、生前対策について良し悪しや、実際にかかる金額を知り、ご自身に一番良い方法を考えてみましょう。
対策したいこと | 家族信託 | 生前贈与 | 遺言 | 成年後見 |
相続をスムーズに、家族が揉めないようにしておきたい | ◎ | ▲ | ○ | × |
認知症が発症したときの財産管理を信頼できる家族などにまかせたい | ◎ | × | × | ▲ |
相続税がかかるか不安であり、継続的な相続税対策をしたい | ○ | ○ | ✖ | × |
生前対策の施策ごとの比較
家族信託
家族の財産を家族で管理する制度です。契約内容によって柔軟な対策が可能です。
長所
①とても柔軟な制度
家族信託では、財産を誰から誰に、そして誰にと、ご希望通りに受け継いでいくことが可能です。その為、相続で争い起きるリスクを低くできます。
②財産を管理してほしい人に管理してもらえる
長男に是非土地を受け継いでほしいなぁ…
次男は、お金使いが荒いからなぁ預金は受け継ぎたくないなぁ…
会社を継いだのは三男だから三男に会社を承継したいぁ…
家族信託であれば、これらすべてOKです。
どの財産を、誰に、いつ、どのくらい渡すか決められます。受け継がれた財産の使い道も基本的に自由に決められます。
③財産を受け継ぐペースが決められる
子どもに障がいがある方や、お金の使いすぎを気になさる方は、毎月〇〇円を誰に渡すと、決められるのは家族信託の大きな長所になります。
短所
①認知症の発症後には使えない
家族信託は認知症後に契約することができません。認知症になる前にしっかりと対策しておかなければいけません。
②財産を託す家族が(基本的に)必要
家族の財産を家族で管理する制度であるため、財産を託される側がいないと契約できません。
③他の制度よりも初期費用が高い
家族信託は初期費用をみると他の制度よりも高い場合が多いです。
しかし、毎月かかるお金はないので必要な総額は安い場合が多いです。
こちら費用の比較でしっかりと説明いたします。(詳細>>>>)
生前贈与
生前に財産の所有権を受け渡す制度です。いわゆる贈与税が発生します。
長所
①財産を生前に贈与できる
そのままじゃないか…と思われるかも知れませんが、そのままなのです!
遺言や、家族信託、成年後見では生前に財産を「あげる」ことはできないのです。
似ているのは、家族信託で貸しているような状態にすることでしょうか。
どうしても財産の所有権をあげたい!という方にとって生前贈与はベストな方法です。
②節税になる…こともある
生前贈与には金額にもよりますが、基本的に贈与税が発生します。
この金額が相続税よりも安い場合がございます。
その場合、生前に贈与しておくことで節税が可能になります。
短所
①税金が発生する
贈与をする際に贈与税をはじめとし、様々な税金がかかるケースが多いです。
税金以外に財産(主に不動産)の名義変更に関わる費用が発生するケースも多いです。
②相続税が発生する可能性がある
えっ!?生前に贈与したのだから、死後の相続には関係ないでしょ、、、とお考えの方が良くいらっしゃいますが、相続税が発生する可能性があるのです。
具体的には被相続人がお亡くなりになる7年以内に贈与された財産は相続財産とみなされ、控除分を超えた財産には、相続税が発生いたします。
その為、贈与税、相続税のどちらも発生する可能性がございます。
遺言
財産を誰に渡すかの書類です。書き方を間違えると無効になることがあります。
長所
①相続人が比較的もめることなく相続手続ができる
遺言では、どの財産を、どれくらい、誰に渡すかを決められるため、相続手続がスムーズに進む手助けになります。
②相続人以外への財産継承ができる
介護を手伝ってくれた方、子供の妻、ないし夫、その他にも財産を渡したい人がいる、、、
このようなご希望がある際には遺言は大きなメリットがあります。
短所
①相続争いになるケースがある
ん?長所では、もめず相続手続ができると言っていたのに、と思った方もいると思いますが、それは、遺言が「正しく」書かれている場合になります。
もし、遺留分を侵害する書き方で書いてしまうと
「親の意思はこうだが、法律ではこうだ!」というような争いになりかねません。
その為、遺言をお考えの方は専門家に一度相談されることをお勧めいたします。
成年後見制度
判断能力の衰えてしまった方に代わって専任された後見人が財産を守る制度です。
長所
①財産の使い込み防止
後見人が選任されている場合、不動産や預貯金等の財産を代わりに管理してもらえるため、身近な人(親族等)による財産の使い込みや経済破綻を防ぐことができます。第三者の財産の自由な取り扱いが不可能になるためです。
②不必要な契約の取り消し
本人の判断能力が低下していると、悪徳業者などに騙されたり、自分に不利な条件の契約を結んでしまったりする可能性があります。そこで、専任された後見人であれば「取消権」を行使して契約をなかったことにすることができます。
③後見人が財産を動かせる
選任された後見人は本人の財産を自由に管理処分ができます。例えば、介護施設に入所するための資金を用意しなければならないとき、現金の不足に直面したとします。そこで本人の自宅や他の財産を売却して充当しようにも、本人の判断能力が低下している場合は適切に売買の手続を進めることができず、契約が交わせません。財産に対し権利を持っていない親族は勝手に売ることもできません。そのようなときに後見人が選任されていれば、「代理権」を行使することで財産を処分して本人のためにその現金を活用することが可能となります。
また、契約の代行が可能であるため、そもそも介護施設に入所する契約を後見人が「代行権」をもってして取り交わすことも可能です。遺産分割協議も代行が可能です。
短所
①成年後見人の取り下げは難しい
一度成年後見人が選任されると、自由に解任することはできません。後見人への払拭しきれない不信感や、気が変わったため辞めたいなどの理由があっても解任することはできません。
②申し立てに手間と費用がかかる
成年後見制度を開始するにはお金がかかります。後見開始の申立てを行って、家庭裁判所の審判を受けなければなりません。その際に
・家庭裁判所に納める収入印紙代(800円)と連絡用の郵便切手
・後見登記用の登記印紙(2000円)
・診断書代
・鑑定が必要な場合はさらに鑑定費用(5万~10万円程度)
・専門の司法書士や弁護士に頼むことで手間は減らせますが10万~30万程度の委任料
などの費用がかかります。
後見人の報酬額の目安は、管理財産額(預貯金及び有価証券等の流動資産の合計額)に応じて、下の表のとおりです。
管理財産額 | 報酬月額 |
1000万円以下 | 2万円 |
1000万円超5000万円以下 | 3万~4万円 |
5000万円超 | 5万~6万円 |
後見監督人の報酬額のおおよその額は、管理財産額(預貯金及び有価証券等の流動資産の合計額)に応じて、下の表のとおりです。
管理財産額 | 報酬月額 |
5000万以下 | 1万~2万円 |
5000万円超 | 2万5千~3万円 |
ですが救済措置も存在します。被後見人の資力が乏しい場合は、成年後見制度利用支援事業の助成を受けることができます。とはいえ申請すれば必ず助成を受けられるわけではありませんし、たとえ受けられたとしても、かかった費用の全額が助成されるとも限りません。
【成年後見人等に対する報酬助成の参考単価】
居住種別 | 報酬助成額(月額・上限) |
施設入居者 | 1万8千円 |
在宅者 | 2万8千円 |
③不必要な出費などができなくなり自由度が減る
後見人が選任されると被相続人本人のすべての財産を後見人が管理処分し、本人にとって必要なことにしか出費ができなくなります。(前述した介護施設への入所等)そのため、相続人予定の人にとっては財産が動かすことができず不便に感じるケースがあります。
例えば、遠くから子どもが親の介護施設に会いに来るとき、交通費や宿泊費を出してもらえないことが原因で子どもと後見人が対立してしまうような場合もあります。子供は本人ではないため、子供への財産の使用は認められないためです。
④相続税対策ができなくなる
相続税の基礎控除額以上の財産がある場合は、相続税がかかる可能性があります。そこで相続税対策として、生命保険の加入や、生前贈与、不動産購入、賃貸不動産の経営等が節税に有効なケースがあります。
ですが、成年後見制度を利用すると、このような相続税対策を実行することは難しくなります。成年後見制度は、本人の財産を保護することが主目的の制度であり、相続人を保護するためのものではないからです。積極的な投資などには踏み切ることができなくなります。
資産が多い方には、デメリットになる点です。
生前対策の費用(目安)
※あくまで目安ですので、ご自身の場合の料金の詳細を知りたい方は是非無料相談にお申し込みください。
サポート内容
相続税申告がない場合 | 相続税申告がある場合 |
---|---|
①生前対策:全体の検討・打ち合わせ ②財産調査 ・路線価格の平米単価又は倍率の確認 ・不動産取得税・登録免許税の算出 ・不動産評価証明書・登記事項証明書の取得 ③生前対策の提案 ・財産目録及び提案書の作成 ④遺言書の作成(必要な場合) ⑤不動産贈与登記申請(必要な場合) ⑥手続き全般に関する総合サポート料 ・推定相続人の確認等(戸籍代理収集) | ①生前対策:全体の検討・打ち合わせ ②財産調査 ・路線価格の平米単価又は倍率の確認 ・不動産取得税・登録免許税の算出 ・不動産評価証明書・登記事項証明書の取得 ③相続税シュミレーション ④生前対策の提案 ・財産目録及び提案書の作成 ⑤遺言書の作成(必要な場合) ⑥不動産贈与登記申請(必要な場合) ⑦手続き全般に関する総合サポート料 ・推定相続人の確認等(戸籍代理収集) |
サポート料金
相続税申告がない場合(税込) | 相続税申告がある場合(税込) | ||
---|---|---|---|
2,000万円未満 | 165,000円 | 6,000万円未満 | 330,000円 |
4,000万円未満 | 220,000円 | 8,000万円未満 | 財産額の0.55%+消費税 |
6,000万円未満 | 275,000円 | 1億円未満 | |
8,000万円未満 | 330,000円 | 1億2,000万円未満 | |
1億円未満 | 385,000円 | 1億4,000万円未満 | |
1億円~ | 個別お見積もり | 1億4,000万円~ | 個別お見積もり |
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